MCP入門 ~基礎から応用までをマスター~ JAWS-UG 京都支部 2026年2月7日
自己紹介 秋田 浩也(あっきー) 株式会社KYOSO所属 バックエンドエンジニア 最近はEM(エンジニアリングマネジメント)に 興味あり
本日の発表の概要 以下について発表します。 ● ● ● MCPとはどういうものであるのか なぜMCPが必要なのか MCPを使うとどういうことができるようになるのか 発表後には、皆さんも明日からMCPを語れるようになるはず(^_-)-☆
アジェンダ ● ● ● ● ● AIの限界と「拡張」の歴史(Function Calling) MCPの正体:MxNの混乱をM+Nの秩序へ MCP Serverの3大機能(Tools / Resources / Prompts) 実践デモ:気象情報取得サーバーを動かしてみよう AWSにおけるMCP活用とAIエージェントの未来
AIモデルの限界:ナレッジカットオフ 静的知識(学習データ) 日本の都道府県を教えて 北海道、青森、岩手、、、 (正確に回答可能) 学習データに含まれる過去の情報 動的知識(リアルタイム) 明日の京都の天気は? 「分かりません」または、間 違った情報 学習期間終了後のリアルタイム情報 AIモデルは学習した時点までの情報しか持たないため、最新情報や外部データへのアクセスには 「拡張」が必要になる。
AIモデルの限界:テキストのやり取りのみ テキストの入出力 入力テキスト 出力テキスト Googleカレンダーへの予 定の追加もできない Web検索もできない コードの実行もできない AIモデルはあくまで「テキストの入出力」に特化した存在であり、それ単体では外部の世界を操作することが できない。
AIモデルの拡張へ:Function calling AIに対してツールという形で外部の世界を操作できるようにしたら、もっといろいろなこと ができるのではないか? そこで登場したのがOpenAIが発表したFunction callingです。 Function callingとは「LLMに関数呼び出し用のパラメータ生成と関数選択をやらせる ことで、外部 APIやDBを自然言語経由で使えるようにする機能 」です。
AIモデルの拡張へ:Function calling プログラム ユーザが明日の京都の天気を 知りたいらしい 今うちで使える関数はAとBとC があるねんけどどうしたらい い? ほな、Cの関数を使ったらええ で。 引数はXXXXを渡したらいいと 思うで。 Cの関数を実行する ChatGPT
AIモデルの拡張へ:Function calling プログラム ChatGPT Cの関数を実行した結果を送る で。 明日の京都の天気は晴れやで。 これをユーザに返したらええで。
AIモデルの拡張へ:Function calling プログラム ChatGPT Cの関数を実行した結果を送る で。 Function Callingを使えば、SlackのAPIを叩いてSlackに 投稿できるようになるし、GoogleのAPI叩いてGoogleカ レンダーに予定の追加もできるようになるやん!!( ゚Д゚) 明日の京都の天気は晴れやで。 これをユーザに返したらええで。
MCPの登場 Function Callingの登場で、AIモデルを使って外部の世界を操作できるようになりまし た。 ただし、「複数のAIアプリと複数のツールをつなぐとき、組み合わせごとにバラバラの連 携コードを書かなくてはいけない」という課題が発生しました。 アプリA専用ツール群 アプリA (Claude Desktop) Slack連携機能 Google連携機能 アプリB専用ツール群 アプリB (GitHub Copilot) Slack連携機能 Google連携機能
MCPの登場 MCP登場以前では、アプリとツールでそれぞれ別々の実装をするという、MxNの問題が 起きていました。 MCP登場後はM+Nとして開発効率を格段に減らすことができるようになりました。 アプリA専用ツール群 アプリA (Claude Desktop) アプリB (GitHub Copilot) アプリとツールの やり取り部分を MCPとして標準 化 Slack連携機能 Google連携機能
MCPの基礎知識:アーキテクチャ 自分のPC Local MCP Server MCP Host (Claude Desktop etc) Stdio transport MCP Client A MCP Client B MCP Client C Stdio transport 本発表では、MCP Serverに 絞って説明します MCP Server A (Slack連携) MCP Server B (Google連携) Streamable HTTP transport Remote MCP Server MCP Server C (GitHub連携)
MCPの基礎知識:MCP Serverが提供する機能 Tools(ツール) Resources(リソース ) Prompts(プロンプト ) 実行可能な関数 読み取り専用データ 再利用可能なテンプレート
機能1:Tools(ツール) AIモデルが呼び出し可能な関数の一覧。 データベースへの書き込み、API呼び出しなど 任意の処理を定義できる。 制御主体はモデル、ユーザの入力に基づき、 モデルが必要なツールと引数を決める。
機能2:Resources(リソース) ファイル、ログ、データベースのレコードなどのデータ。 制御主体はアプリ、ユーザであり明示的に指定して利用する。
機能3:Prompts(プロンプト) 特定のタスクを効率化するための再利用可能なテ ンプレート。事前定義されたベストプラクティスを呼 び出す。 制御主体はユーザ、ユーザが選択して呼び出しが 可能。
MCPの基礎知識:MCPサーバーが提供する機能 ツール、リソース、プロンプトについてはVSCode を 利用したデモで Tool(ツール) Resources(リソース ) Prompt(プロンプト ) 実際に使う場合の事例を説明します。 実行可能な関数 読み取り専用データ 再利用可能なテンプレート
MCPサーバーを作ってみよう 公式のチュートリアルがとても分かりやすいので、一度試して見ることをお勧めします。 Build an MCP server チュートリアルでは米国の気象警報と天気予報を取得するMCPサーバーを作成するこ とができます。 実際のコードを簡単に解説します。 ※後述のソースコードは公式リポジトリからの引用です。
ライブラリインポート 定数定義 API呼び出し処理 フォーマット関数
気象警告取得ツールの 定義 実際のMCPツール選択画面
MCPサーバーを作ってみよう 実際に作成したMCPサーバーを設定して 使ってみましょう。 テキサスの天気を質問すると、実際に作 成したMCPツールを検索し、適切なツー ルを選択、実行して結果が返ってきてい ることが分かります。
AWSから提供されているMCPサーバー AWSからも様々なMCPサーバーが公開されていますので紹介します。 ※直近でプレビューが公開されているAWS MCP Serverというサービスの説明ではない のでご注意下さい。 AWS API MCP Server AWSの各種リソースの操作ができる。 「EC2インスタンスの一覧を教えて」などの質問に対して回答させることができる。
AWSから提供されているMCPサーバー AWS Knowledge MCP Server リモートMCPサーバーです。認証不要で利用できます。 AWSの最新のドキュメント情報などを参照可能です。 CloudWatch MCP Server アラームのトラブルシューティング、ログ分析などの用途で利用できます。 その他のMCPサーバーはこちらを参照ください。
MCPがある世界 AIエージェント 料金の内訳を確認する AWSの費用が上がっているけど どうしたらいい? EC2の料金が高いよ! AWS Cost Explorer MCP Server どんなEC2インスタンス があるのか確認する AWS費用を調査しました。その結 果、EC2の料金が一番高いことが 分かりました。 対策として EC2のスペックを以下 に変更することで料金を削減する ことができると提案します。 AWS API MCP Server オーバースペックなイン スタンスがあるよ EC2利用時のベストプラ クティスを確認する 最適なスペックを選ぶ のがいいよ、現状だとこ のスペックが適切だと思 うよ AWS Knowledge MCP Server
最後に MCPは、AIモデルを「考えるだけの存在」から、現実世界のデータに触れ、行動できる 「エージェント」へと進化させるための懸け橋となる存在です。 MCPを利用することで、AIエージェントをユーザのそれぞれにユースケースにおける最 適化、カスタマイズすることができます。 AIコーディングツールの発展に伴って、皆さんがこういうことがしたいな、というのが簡単 に実現できるような時代へと突入しました(*´∀`)b
おまけ ● Anthropic、「Model Context Protocol」(MCP)をLinux Foundation傘下のAAIFに 寄贈(2025年12月) ○ ● AIとの会話にインタラクティブなUIを埋め込む「MCP Apps」オープンスタンダードと して公開(2026年1月) ○ ● 特定ベンダー併存しない、中立な規格へ よりリッチなUIによる拡張を目指して 知っているふりをしないためのMCPサーバー入門 - Oracle AI Jam Session #32 ○ より詳しく、深く MCPのことを知りたい人への素晴らしいスライド資料