補助関数法に基づくスパース正則化付き非負値行列因子分解と行列補完への応用

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March 02, 26

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和気佑弥,"補助関数法に基づくスパース正則化付き非負値行列因子分解と行列補完への応用,"香川高等専門学校専攻科電気情報工学科コース 特別研究論文, 66 pages, 2026年2月.

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1.

令和7年度特別研究II発表会 2026年2月4日 8:50-12:00 補助関数法に基づくスパース正則化付き 非負値行列因子分解と 行列補完への応用 26番 和気佑弥(北村研究室)

2.

2 研究背景 • 非負値行列因子分解(nonnegative matrix factorization: NMF)[Lee, 1999] – 非負制約付きの任意基底数( 本)による低ランク近似 非負値観測行列 係数行列 基底行列 推定行列 アクティベーション 基底 のランク=基底数 – 行列間の誤差を目的関数とした最適化問題として定式化 目的関数 非負制約 • 目的関数:観測行列 と推定行列 の距離 • 解析的に解を得ることはできない • 目的関数値が小さくなるように , を更新していく

3.

3 NMFの反復最適化 • と の更新を反復して目的関数を最適化する 非負値観測行列 基底行列 係数行列 推定行列

4.

4 NMFの反復最適化 • と の更新を反復して目的関数を最適化する 非負値観測行列 基底行列 係数行列 推定行列

5.

5 NMFの反復最適化 • と の更新を反復して目的関数を最適化する 基底行列 非負値観測行列 目的関数:行列間の誤差 初期値 875 係数行列 推定行列

6.

6 NMFの反復最適化 • と の更新を反復して目的関数を最適化する 基底行列 非負値観測行列 目的関数:行列間の誤差 初期値 875 50.2 1回更新… 係数行列 推定行列

7.

7 NMFの反復最適化 • と の更新を反復して目的関数を最適化する 基底行列 非負値観測行列 目的関数:行列間の誤差 初期値 875 10回更新… 50.2 1.40 1回更新… 最小化 係数行列 推定行列

8.

8 NMFの反復最適化 • と の更新を反復して目的関数を最適化する 基底行列 非負値観測行列 目的関数:行列間の誤差 初期値 推定行列 1回更新… 875 10回更新… 50.2 1.40 係数行列 最小化 – 反復更新式:目的関数を最小化する変数更新のための式 :要素ごとの積 :転置

9.

NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 9

10.

10 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する 初期値 と収束するまで反復する

11.

11 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 補助関数 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する 初期値 と収束するまで反復する

12.

12 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 補助関数 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) 補助関数の最小値 を満たす を として更新する 初期値 と収束するまで反復する

13.

13 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 補助関数 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) 補助関数の最小値 を満たす を として更新する 更新後 初期値 と収束するまで反復する

14.

14 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

15.

15 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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16 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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17 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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18 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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19 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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20 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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21 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

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22 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき (2) を満たす を として更新する と収束するまで反復する

23.

23 NMFの最適化アルゴリズム • 補助関数法(majorization-minimization algorithm)[Hunter and Lange, 2000] – 直接最適化が困難な目的関数を間接的に最適化する手法 NMFの場合: – 例)不連続関数 の最適化 回更新目の変数値 に対し… (最適化が容易な) を設計する (1) 補助関数 のとき のとき を満たす を (2) として更新する と収束するまで反復する 特徴 • ステップサイズ不要(収束が早い) • 乗法型の更新式(非負制約に強い) – 反復更新による単調非増加性が保証される

24.

24 NMFに基づく低ランク近似の例 • NMFの基底行列 と係数行列 音源の振幅スペクトログラム 音の出現タイミング Time 顔画像をベクトル化して並べた行列 Amplitude Frequency 時間周波数 領域へ変換 Frequency 楽器音 音の特徴 Amplitude Time 顔のパーツ 各顔への影響度 目 鼻 口 顔画像 どのパーツが どの顔画像に どれだけ現れるか NMF:” 個の特徴’’と”その組み合わせ”に低ランク近似する手法

25.

25 スパース性 1 • 行列のスパース性 – ほとんどの要素が0や それに近い値を取る行列 スパース(疎)な行列 デンス(密)な行列 • 最適化におけるスパース性の役割 – 誤差(ノイズ)を含む観測の本質構造を推定しやすい 次元による 多項式回帰 観測値 観測時のノイズ 係数ベクトル 真のモデル 個の観測系列 過剰な次元による推定 スパースに抑制した による推定 0

26.

26 スパース性 1 • 行列のスパース性 – ほとんどの要素が0や それに近い値を取る行列 スパース(疎)な行列 デンス(密)な行列 • 最適化におけるスパース性の役割 – 誤差(ノイズ)を含む観測の本質構造を推定しやすい 次元による 多項式回帰 係数ベクトル 過剰な次元による推定 個の観測系列 スパースに抑制した による推定 0

27.

27 スパース性 1 • 行列のスパース性 – ほとんどの要素が0や それに近い値を取る行列 スパース(疎)な行列 デンス(密)な行列 • 最適化におけるスパース性の役割 – 誤差(ノイズ)を含む観測の本質構造を推定しやすい 次元による 多項式回帰 係数ベクトル 過剰な次元による推定 個の観測系列 スパースに抑制した による推定 0

28.

28 スパース性 1 • 行列のスパース性 – ほとんどの要素が0や それに近い値を取る行列 スパース(疎)な行列 デンス(密)な行列 • 最適化におけるスパース性の役割 – 誤差(ノイズ)を含む観測の本質構造を推定しやすい 次元による 多項式回帰 係数ベクトル 過剰な次元による推定 個の観測系列 スパースに抑制した による推定 0

29.

NMFにおけるスパース性の仮定 • がスパースになることで がより特徴を抽出できる の列ベクトルの表現に すべての基底が関わる (曖昧な基底ベクトル) スパース化 の列ベクトルを支配的な 1つの基底ベクトルで表現 (局所的な基底ベクトル) 本質的特徴の抽出 29

30.

NMFにおけるスパース性の仮定 • がスパースになることで 30 がより特徴を抽出できる の列ベクトルの表現に すべての基底が関わる (曖昧な基底ベクトル) スパース化 の列ベクトルを支配的な 1つの基底ベクトルで表現 (局所的な基底ベクトル) 本質的特徴の抽出 • スパース化による局所的特徴を強調した基底抽出の例 [Hoyer, 2004, Fig. 3] 通常のNMF スパース化したNMF 顔全体を表現(曖昧) 目や鼻を強調(局所的)

31.

31 スパース性を与えたNMF • スパースNMF(sparse NMF: SNMF) – NMFに対し正則化項として 損失関数 ノルムを付与 L1正則化の図 正則化項 NMFによる最適化 NMFの目的関数: 反復更新 損失関数の最小化 スパースNMFによる最適化 反復更新 スパース化 損失関数 ノルム の同時最小化

32.

スパースNMFのスケール任意性問題 • NMFのスケール任意性 – 同じ について, と のスケールに任意性がある スケール変化しても 全く同じ推定行列 32

33.

スパースNMFのスケール任意性問題 • NMFのスケール任意性 – 同じ について, と のスケールに任意性がある スケール変化しても 全く同じ推定行列 NMF スパースNMF 一定 小さくなる 33

34.

スパースNMFのスケール任意性問題 • NMFのスケール任意性 – 同じ について, と のスケールに任意性がある スケール変化しても 全く同じ推定行列 NMF スパースNMF 一定 小さくなる • スパースNMFのスケール任意性問題 [Iwase+, 2022] – のスケール任意性で正則化項が本質的に無意味になる ノルム だけ 不当に小さくなりうる 34

35.

35 様々なスパースNMF 最適化問題 最適化手法 単調非増加性 [Hoyer, 2002] 射影勾配法 無し [Hoyer, 2004] 射影勾配法 無し [Liu+, 2004] 補助関数法かつ 反復毎の正規化 [Eggert+, 2004] [Le Roux+, 2015] Heuristic update rule 無し 無し [Leplat+, 2021] ラグランジュの未定乗数法 +ニュートン・ラプソン法 保証有り [Marmin+, 2023] 補助関数法 – 単調非増加性を保証する手法は限られる 保証有り

36.

36 様々なスパースNMF 最適化問題 最適化手法 単調非増加性 [Hoyer, 2002] 射影勾配法 無し [Hoyer, 2004] 射影勾配法 無し 反復の内部に追加の数値計算処理が [Liu+, 2004] 必要で計算コストが大きい 補助関数法かつ 反復毎の正規化 [Eggert+, 2004] [Le Roux+, 2015] Heuristic update rule 無し 無し [Leplat+, 2021] ラグランジュの未定乗数法 +ニュートン・ラプソン法 保証有り [Marmin+, 2023] 補助関数法 – 単調非増加性を保証する手法は限られる 保証有り

37.

37 様々なスパースNMF 最適化問題 最適化手法 単調非増加性 [Hoyer, 2002] 射影勾配法 無し [Hoyer, 2004] 射影勾配法 無し 反復の内部に追加の数値計算処理が [Liu+, 2004] 必要で計算コストが大きい 補助関数法かつ 反復毎の正規化 [Eggert+, 2004] スパース化の対象が となっており [Le Roux+, 2015] か の一方のスパース性の制御ができない Heuristic update rule 無し 無し [Leplat+, 2021] ラグランジュの未定乗数法 +ニュートン・ラプソン法 保証有り [Marmin+, 2023] 補助関数法 – 単調非増加性を保証する手法は限られる 保証有り

38.

38 本研究の目的 • 既存手法とその課題 – スパースNMF • 正則化項によりNMFに スパース性を誘導する手法 – スケール任意性問題 • スパース化が無意味となる問題 – 単調非増加性を保証した手法の不足 • 計算コストの大きい手法 • 目的のスパース化と異なる手法 L1正則化の図

39.

39 本研究の目的 • 既存手法とその課題 – スパースNMF • 正則化項によりNMFに スパース性を誘導する手法 L1正則化の図 – スケール任意性問題 • スパース化が無意味となる問題 – 単調非増加性を保証した手法の不足 • 計算コストの大きい手法 • 目的のスパース化と異なる手法 本研究の目的 スケール任意性問題の回避 単調非増加性を保証する乗法更新式 2つを両立する スパースNMFの提案

40.

スケール任意性問題を回避するスパースNMF • ノルム制約付きスパースNMF(norm-constrained SNMF) ノルム制約 L1正則化の図 の各列ベクトルの 総和を1に固定する制約 40

41.

スケール任意性問題を回避するスパースNMF • ノルム制約付きスパースNMF(norm-constrained SNMF) ノルム制約 L1正則化の図 の各列ベクトルの 総和を1に固定する制約 – ノルム制約によりスケール任意性問題を回避 • などのスケール調整を 制約により制限 – これまでも検討されてきたが補助関数法による最適化は未達 [Hoyer, 2004], [Liu+, 2004] 等 41

42.

スケール任意性問題を回避するスパースNMF • ノルム制約付きスパースNMF(norm-constrained SNMF) ノルム制約 L1正則化の図 の各列ベクトルの 総和を1に固定する制約 – ノルム制約によりスケール任意性問題を回避 • などのスケール調整を 制約により制限 – これまでも検討されてきたが補助関数法による最適化は未達 [Hoyer, 2004], [Liu+, 2004] 等 • 提案手法:補助関数法に基づく反復更新式の導出 – スケール任意性問題:定式化で解決 – 単調非増加性:補助関数法に基づくことで保証 42

43.

提案手法:補助関数の設計 • ノルム制約付きスパースNMF(norm-constrained SNMF) L1正則化の図 目的関数 – 損失関数には一般化KLダイバージェンスを用いる L1正則化の図 直接最適化困難な項 43

44.

44 提案手法:補助関数の設計 • ノルム制約付きスパースNMF(norm-constrained SNMF) L1正則化の図 目的関数 – 損失関数には一般化KLダイバージェンスを用いる L1正則化の図 直接最適化困難な項 – 損失関数に対して上限関数を設計 :定数項を除いて等しい :補助変数 Jensenの不等式

45.

45 提案手法:補助関数の設計 • ノルム制約付きスパースNMF(norm-constrained SNMF) L1正則化の図 目的関数 – 損失関数には一般化KLダイバージェンスを用いる L1正則化の図 直接最適化困難な項 – 損失関数に対して上限関数を設計 :定数項を除いて等しい :補助変数 Jensenの不等式 – これより,目的関数の補助関数を次のように設計する L1正則化の図

46.

提案手法:補助関数の最適化 • 補助関数 に対する最適化問題 – このときノルム制約を引き継ぐ(新規アプローチ) L1正則化の図 46

47.

提案手法:補助関数の最適化 • 補助関数 47 に対する最適化問題 – このときノルム制約を引き継ぐ(新規アプローチ) L1正則化の図 – ラグランジュの未定乗数法及びカルーシュ・クーン・タッカー条件 に基づきノルム制約を維持したまま最小化する • 補助変数 • の最適化 Jensenの不等式における等式制約条件 の最適化:以下のラグランジュ関数を解く :ラグランジュ乗数 ノルム制約

48.

提案手法:反復更新式 • ノルム制約付きスパースNMFの反復更新式 L1正則化の図 – 収束パラメータや追加処理を必要としない乗法更新式 – 理論的に単調非増加性を保証する 48

49.

提案手法:反復更新式 • ノルム制約付きスパースNMFの反復更新式 L1正則化の図 – 収束パラメータや追加処理を必要としない乗法更新式 – 理論的に単調非増加性を保証する • 提案手法のまとめ – 最適化問題の定式化においてスケール任意性問題を解決 – 補助関数にノルム制約を引き継ぐアプローチを採用 – 補助関数法に基づく導出で単調非増加性を保証 49

50.

提案手法:反復更新式 • ノルム制約付きスパースNMFの反復更新式 L1正則化の図 – 収束パラメータや追加処理を必要としない乗法更新式 – 理論的に単調非増加性を保証する • 提案手法のまとめ – 最適化問題の定式化においてスケール任意性問題を解決 – 補助関数にノルム制約を引き継ぐアプローチを採用 – 補助関数法に基づく導出で単調非増加性を保証 スケール任意性問題の回避 単調非増加性を保証する乗法更新式 2つを両立する スパースNMF 50

51.

51 実験概要 • 音源データを用いた振幅スペクトログラムの近似実験 – 目的:目的関数値の単調非増加性を検証 – 評価方法:目的関数が同じ3手法の収束挙動を比較(後述) – データ:SiSEC2011 [Araki+, 2011] の``dev1_wdrums_src_1.wav’’ 値・式 Amplitude 窓長 冒頭10 sを切り出し シフト長 基底数 重み係数 乱数シード 評価値 10 s Time Frequency 条件 個 STFT Time 観測行列 – 方法:短時間フーリエ変換(short-time Fourier transform: STFT)により 方法:振幅スペクトログラムを求め観測行列とする

52.

52 比較手法 最適化問題 最適化手法 単調非増加性 [Hoyer, 2002] Simple SNMF [Liu+, 2004] 射影勾配法 • 反復更新する毎にスケール任意性により を正規化する手法 [Hoyer, 2004] • スケール任意性問題を抱えており,単調非増加性も保証しない 射影勾配法 無し 無し [Liu+, 2004] 補助関数法かつ 反復毎の正規化 [Eggert+, 2004] [Le Roux+, 2015] Heuristic update rule 無し 無し [Leplat+, 2021] ラグランジュの未定乗数法 Normalized SNMF [Le Roux+, 2015] +ニュートン・ラプソン法 保証有り • 目的関数の中で を正規化して,反復更新式を導出する手法 [Marmin+, 2023] • 既存手法の中でも良く動作するが,単調非増加性の理論的保証が無い 補助関数法 保証有り

53.

53 実験結果(1/2) • 基底数 ,重み係数 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF Normalized SNMF Norm-constraint SNMF

54.

54 実験結果(1/2) • 基底数 ,重み係数 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF Normalized SNMF Norm-constraint SNMF 提案手法 1 1

55.

55 実験結果(1/2) • 基底数 ,重み係数 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF Normalized SNMF 提案手法 1 Norm-constraint SNMF

56.

Simple SNMF 実験結果(2/2) • 基底数 ,重み係数 • • 回目の更新について :更新直後 :スケール調整後 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF Normalized SNMF Norm-constraint SNMF 56

57.

Simple SNMF 実験結果(2/2) • 基底数 ,重み係数 • • 回目の更新について :更新直後 :スケール調整後 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF Normalized SNMF Norm-constraint SNMF 提案手法 57

58.

Simple SNMF 実験結果(2/2) • 基底数 ,重み係数 • • 回目の更新について :更新直後 :スケール調整後 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF 提案手法 Normalized SNMF Norm-constraint SNMF 58

59.

Simple SNMF 実験結果(2/2) • 基底数 ,重み係数 • • 回目の更新について :更新直後 :スケール調整後 – 各手法の50シードの平均値と標準偏差を表示 Simple SNMF Normalized SNMF Norm-constraint SNMF 提案手法 • 提案手法は単調非増加性を維持したまま最も良い値へ到達した • 異なるパラメータ条件においても安定した挙動を示し 常に既存手法と同等か最良の結果が得られた 59

60.

まとめ 60 • 新たなスパースNMFの反復更新式を提案 – スパースNMFの発展と課題を体系的に整理 – ノルム制約によりスケール任意性問題を回避 – 補助関数法に基づき単調非増加性を保証する更新式を導出 • 音響信号の振幅スペクトログラムによる評価実験 – 単調非増加性及び従来手法と同等以上の収束性能を確認 • 予稿では行列補完におけるスパースNMFについて検討 – 行列補完における各スパースNMFの補完性能を検証 • 研究業績 – – 和気佑弥, 北村大地, “上界最小化アルゴリズムに基づくスパース NMF を用いた欠損値補完と音源分離へ の応用,” 第 27 回日本音響学会関西支部若手研究者交流研究発表会, p. 8, 大阪, 2024 年 12 月(査読無). 和気佑弥, 北村大地, 綾野翔馬, “ノルム制約・スパース正則化付き KL 基準 NMF の補助関数法に基づく最 適化,” 日本音響学会 2025 年秋季研究発表会講演論文集 , 1-R-8, pp. 259–262, 宮城, 2025 年 9 月 (査読無).

61.

補 足 直接最適化が困難とは • 次の目的関数について を解く L1正則化の図 – 合成関数の微分則により – – として について偏微分 について解く… について閉形式を導出できない → 解析解を得られない 61 61

62.

補 足 62 比較手法:simple SNMF [Liu+, 2004] • 最適化問題の定式化 損失関数 L1正則化の図 正則化項 – スケール任意性問題を包含する • 更新アルゴリズム 2. 正規化によるスケール調整( ) ) 目的関数 1. 更新式による変数更新( 更新回数

63.

補 足 比較手法:normalized SNMF [Eggert+, 2004], [Le Roux+, 2015] • 最適化問題の定式化 – 目的関数に基底の正規化を組み込む – スケール任意性問題を回避 • 更新アルゴリズム – 導出過程に起因して単調非増加性を保証しない 63

64.

補 足 Jensenの不等式 • 定理1 (Jensenの不等式) – を, 関数であるとき, する. を満たす補助変数とする.関数 が凸 に対して以下の不等式が成立 が狭義凸関数であるとき,不等式中の等式が成立するた めの条件は である. • 補助関数の設計における活用(一般化KLダイバージェンス) – 凸関数 としてJensenの不等式を適用 64