【活用事例】行動観察、これが仮説検証の突破口|株式会社ジー・サーチ

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July 31, 25

スライド概要

株式会社ジー・サーチは、セルフ動画型リサーチKnock On Explorationを提供しています。本サービスは、商品・サービスの利用実態を動画から探れる新しいリサーチツールです。ユーザー像の把握のために行っている従来の定性調査と比較し、Knock On Explorationは発言だけでなく、「行動」からもプロダクトの課題を深堀できます。この度、王子ネピア様を迎えて、サービスの活用の事例ウェビナー「行動観察、これが仮説検証の突破口」を開催しましたので、本ウェビナーのレポートをお届けいたします。

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株式会社ジー・サーチは、1994年設立の情報ビジネス企業で、富士通グループの一員です。主な事業は「データベース事業」と「デジタルソリューション事業」に分かれています。データベース事業では、日本最大級のビジネス情報データベースG-Searchや科学技術文献サービスJDreamⅢを中心に、ビジネス、学術、特許情報などあらゆる知識情報を国内外のデータベースとして提供しています。デジタルソリューション事業では、Webサイトやシステム開発、CMSの導入・運用支援、マーケティングなど包括的なWebソリューションを提供し、豊富なナレッジと技術力を活かした高品質なサービスを展開しています。社会に価値ある情報を提供し、顧客の課題解決と社会の発展に寄与することを目指しています。

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行動観察、 これが仮説検証の突破口 株式会社ジー・サーチは、セルフ動画リサーチ KnockOnExploration活⽤ウェビナー 「行動観察、これが仮説検証の突破口」を開催しました。 王子ネピア様を迎えてお送りした本ウェビナーのレポートをお届けいたします。 登壇者 動画分析で可視化する、隠れたペインとユーザーインサイト抽出 ジー・サーチ 齋藤 悠希 株式会社ジー・サーチ 齋藤 悠希 王子ネピア株式会社 池口 高史 はじめに 行動観察は、人がどのような行動をしているかを観察することで、本人の無意識な行動や、本人に聞いても分からない事実、当たり前すぎ て見過ごされている事実から、潜在的な情報を引き出すことを可能にします。アンケートやインタビューなどのリサーチ手法で得られるのは顕在的 な情報が主ですが、行動観察では自分でも気づいておらず、聞かれても言葉にできない、無意識の行動や暗黙のルールといった真のインサイト を把握できます。 また、ユーザー理解には、インタビューと行動観察の両軸からのアプ ローチが不可欠です。 インタビューでは、本人が自覚している行動の理由や価値観を捉え ることができるのに対し、行動観察では、行動や環境などの事実、 本人が自覚していないニーズ、そして感情を捉えることができます。 その反面、それぞれの手法には限界があります。 インタビューでは本人が意識的に話したくないことや言語化できない ことは把握できません。同様に、行動観察だけでは行動の背景を 十分に理解することはできません。 そのため、インタビューと行動観察を統合し、生活者の実態を全体 構造で把握していくことが大切です。 それでは、今回は「鼻セレブ洗顔専用」の事例を通して、 KnockOnExplorationによる調査分析とその活用方法を、王子 ネピア様にご共有いただきます。

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行動観察、これが仮説検証の突破口 王子ネピア株式会社 池口 高史 人と地球に心地よい未来を拓く 王子ネピアは、1949年の創業以来、ティッシュペーパー「ネ ピア」やトイレットロール「ネピアプレミアムソフト」など、人々の 暮らしに役立つ製品を提供しています。 口コミから見えたポジティブな評価とネガティブ なヒント 王子ホールディングスの一員として、「人と地球に、ここちい い。」をミッションに掲げ、「森の力で、未来を守る。」という理 念のもと、環境に配慮した社会貢献にも取り組んでいます。 口コミからは、「ティッシュベースで柔らかい」「使い心地の 良さ」「肌触りの良さ」「吹き出物対策」「敏感肌に良い」と いったポジティブな評価や期待が確認できました。国産メー カーの有名ブランドであること、目新しさ、安心感、そして ティッシュベースの肌触りが魅力として認識されていることが 分かりました。 製品は大きく分けて、ティッシュペーパー、トイレットペー パー、キッチンタオル、ウェットティッシュ、大人用おむつ、そ して「鼻セレブ」ブランドを核としたスキンケア製品群を展開。 特に「鼻セレブ」ブランドは、ティッシュだけでなく、洗顔専 用フェイスタオルや洗顔ソープ「鼻セレブ SKINLISM」など、 スキンケア領域へとその展開を広げてきました。 一方で、「吸収量が足りない」「紙がバラバラになる」「コ スパが悪い」といったネガティブな意見も散見されました。こ れらの意見は、製品の基本的な性能に関するものであり、 一見すると製品自体の改善が必要に見えます。しかし、こ れらのネガティブなレビューから、私たちは「そもそも一枚を正 しく使えていないのではないか?」「使い方が異なるのでは ないか?」という疑問を抱きました。 お客様の快適な生活と、より豊かな毎日を創造するた め、私たちは製品開発において、お客様の視点に立ち、 常に新しい価値を追求していきます。 「鼻セレブ洗顔専用」の挑戦と初期課題 2023年4月にECサイト、半年後にドラッグストアで発売された「鼻 セレブ洗顔専用」は、フレッシュパルプ100%のティッシュベースだからこ そ実現できた、不織布にはない肌への優しさと、洗濯物を減らせる 利便性を特徴とする製品です。 意識と行動のズレを発見する「セルフ動画型リ サーチKnockOnExploration」 ポジティブ・ネガティブな言葉は解読できても、その根本 原因や理由が分かりづらいという課題に直面しました。そこ で、ジー・サーチの提供する「セルフ動画型リサーチ KnockOnExploration」を導入。アンケートで基本情報を 取得し、消費ジャーニーに沿ったヒアリングと、実際の行動を 動画で確認する「行動観察」を行いました。 出典:インテージSRI+ しかし、発売当初、「さらにいいこと、自分にいいこと、鼻セレブ洗 顔専用」というキャッチコピーが利用者に伝わっているかという課題が ありました。スピーディーかつ費用を抑えるため、まずはECサイトの口コ ミやレビューを活用し、初期の顧客反応を測りました。 具体的には、商品をかごに入れるところから、持ち運び、 置き場所、開け方、使い方、廃棄までの動きを動画で確 認。さらに、「実際に洗顔専用のティッシュを取り出して、顔 を拭いている様子を動画でアップしてください」というシンプ ルな設問で、あえて条件をつけたりバイアスをかけたりせず、 自然な使用状況を観察することを重視しました。使用後の 良い点や満足点・不満足な点についても動画で感想を投 稿してもらうことで、アンケートのフリーコメントやECサイトのレ ビューだけでは得られない、言葉の裏にある表情やニュアン スから、より深いヒントを得ることを目指しました。

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行動観察が明らかにした「意識と行動のズレ」 行動観察の結果は、私たちの仮説を裏付けるものとなりました。 ゴシゴシ拭く人と丁寧に拭く人の違いは、「肌を大切にしていま す」と意識する人でもゴシゴシ拭くケースがある一方、丁寧に拭く人 は一枚をひらひらと顔に触れさせ、二つ折り、四つ折りにしながら押 し拭きするなど、非常に上手いことが分かりました。 使い捨てフェイスタオルユーザーにとっては「衛生面や洗濯物を減 らせる」ことが共通のベネフィットですが、「肌を整えて綺麗になりたい、 そのために肌に優しいものを選びたい」という気持ちの大きさに差が あると推測されます。フェイスタオルユーザーに幅広く「鼻セレブ洗顔 専用」を選んでいただくためには、ティシュベースならではの肌への優 しさや、水分を拭き取れる正しい使い方を伝えることが重要と分か りました。 行動観察から導き出されたアクションプラン 行動観察による定性的なデータは、社内での説得材料としても 非常に強力で、例えば、パッケージの表記においても、「120組120 枚」という情報だけでなく、「1日1枚で4ヶ月、1日2枚使っても2ヶ月 分」といった具体的な使用期間の提案で、製品の良さが大幅に高 まることがKnockOnExplorationでの調査を通じて確認できました。 インタビューの結果から商品のベネフィットはパッケージで十分に伝 わっている一方、「一枚で拭き取れない」というネガティブな意見に 対しては、正しい「セレブ拭き」を伝えることが重要と結論付けました。 これらのことから、プロモーション、広告販促での施策が必要であると 判断し、プロモーション戦略を組み立てることになりました。 具体的な施策として、以下の3つを実施しました。 KnockOnExplorationのオプションであるデプスインタビューでは、 行動観察で得られた仮説をさらに深掘りするため、「ゴシゴシ拭く人 (Aさん)」と「丁寧に拭く人(Bさん)」の両方を選定し、実際の 使用行動を観察しながらヒアリングを行いました。 Aさんのケースでは、「肌に優しく」という意識があるにも関わらず、 インタビュー中に鼻セレブ洗顔を使ってもらったところ、最初から二枚 取り出して顔をこするように拭いており、意識と行動のズレがより明 確に浮き彫りになりました。 一方、Bさんのケースでは、一枚をひらひらと顔に触れさせ、二つ 折り、四つ折りにしながら押し拭きするなど、意識と行動が一致し た、非常に上手な使い方をしていることが確認できました。 一つ目は、インフルエンサーの情報発信を通じて商品の信頼性 や話題性を向上させる。二つ目は、SNSメディアによる情報発信で、 「セレブ拭き」の良さや、不織布タオルにはない商品の良さを伝える こと。そして三つ目は、商品体験を通じたギフティング施策で、Web への情報掲載を促し、SNS検索からの購入へと繋げることです。こ れらの取り組みは、店頭だけでなくWebからの購入にも繋がる重要 な施策として、迅速に対応しました。 まとめ また、この場で新しい使い方の提案としてAさんに「セレブ拭き」を 伝えたところ、「一枚で十分拭ける方法があるのね。試してみようと 思う」といった、具体的な行動変容に繋がるポジティブな反応が得 られました。 「鼻セレブ洗顔専用」の事例から見えてきたのは、製品の阻害 要因が、消費者の「製品の使い方に対する意識と行動のズレ」にあ る点でした。行動観察によってこのズレを明確にし、正しい「セレブ拭 き」を提案することで、課題が改善できる可能性が示唆されました。 この事例が示すように、定性的な行動観察データは、仮説の裏 付けや社内説得に非常に有効であり、言葉だけでは見えない顧客 の真のインサイトを掴む近道となります。 今後の展望 カテゴリー自体の市場活性化として、ディスポーザブルフェイシャルタオルの啓蒙活動を、弊社だけでなく他のメーカーとも協力して後押しするよう な施策が必要と考えています。また、もう少し効果的なUSPの見直しをして、例えば、パッケージリニューアルの前に、店頭POPや商品に貼り付け るアテンションシールで「セレブ拭き」のような正しい使い方やキャッチコピーを提案し、その効果を検証した上で、本格的なパッケージ改修へと段階 的に進めることも考えていたりします。 仮説の裏付けは難しいですが、実際に購入いただいた方の行動観察は解決への近道であり、動画を見たことで言葉の重みも変わってきます ので、ぜひそういう取り組みをしていただきたいと思います。

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⽣活者の ⾃撮り 動画 を活⽤し 、簡単・素早く・安価に⽣ 活者のリアル な情報を収集することができるリ サーチ ツ ールです。⾏動 と発言から分かる⽣活者の隠れたニ ーズやペインををとらえ、ファクトデ ータに基づ いた商品開発を支援します。 ⾃撮り動画で「利⽤の瞬間」を 動画で確認 セルフサーブ型UX × 言語AIによりクイック調査 3,000万人のアンケート 最 ⼤ 5 分 の 動 画 で 利 ⽤ の 瞬 間 を撮影 準 備 か ら 結 果 確 認 ま で 3ステップ で 簡 単 P C 完結。 非同期収集 で最短1週 年齢、性別、居住地区のデモグラ 条 件 で 絞 ら れ た 3,000名に対し、10問のスクリ 間で調査完了 ーナーアンケートで対象者を選定できます AIによる可読性の高い文字起こしと分 動画を確認した上でインタビューができる セキュアな環境でプロジェクトメンバ全員 で利⽤の様子を確認 モニターと連携 析支援で外観を素早く把握。分析もク イック アーカイブ公開中 ウェビナー本編はこちらから! https://solution-info.g-search.jp/lp/koe/webinar_250701 ので、理由の深堀や動画から判明した 課題に対する改善策の評価まで1リサー チで完了 初回トライアル受付中