チ 知 拡張知財で知財文化を 組織に浸透させる スタートアップに知財を生み出す風土を定着させる 弁理士 木本大介 2025/02/12 this is startup. © Daisuke KIMOTO 1
チ 知 このスライド以外にも、スライドを公開しています。 >>> slideshare >>> note this is startup. © Daisuke KIMOTO 2
チ 知 この資料の前提となるチ ● 【チの共有】拡張知財(広義の知財) - スタートアップが知財と向き合うときに持つべ き思考回路 - this is startup. © Daisuke KIMOTO 3
チ 知 この資料のペルソナ 支援者 大企業 スタートアップ 経営者 経営者 経営者 経営者 専門家 (弁理士|知財担当) 専門家 (弁理士|知財担当) 専門家 (弁理士|知財担当) 専門家 (弁理士|知財担当) 非専門家(事業系) 非専門家(事業系) 非専門家(事業系) 非専門家(事業系) 非専門家(技術系) 非専門家(技術系) 非専門家(技術系) 非専門家(技術系) 非専門家(管理系) 非専門家(管理系) 非専門家(管理系) 非専門家(管理系) this is startup. © Daisuke KIMOTO (士業|VC|コンサル) 4
チ 知 この資料のas is → to be as is このアイデア は特許が取れ そうだ! this is startup. to be とりあえず、この アイデアを知財 部に共有してお こう! © Daisuke KIMOTO 5
チ 知 Q A このアイデア は知財にな るのかな? this is startup. そんなこと考え ずにアイデアを 共有した方が早 いじゃん。 © Daisuke KIMOTO 6
チ 知 背景 this is startup. © Daisuke KIMOTO 8
チ 知 Q A 拡張知財と は何か? this is startup. 拡張知財= 無形資産 © Daisuke KIMOTO 9
資産マップ(拡張知財=無形資産) 資産化 プロセス 物 有体物 チ 知 資産 代表例 有形資産 製造 不動産 特許権 法定知財 産業財産権 (一般知財) 実用新案権 意匠権 商標権 無体物 言語化 無形資産 拡張知財 非法定知財 (拡張部分) 非産業財産権 著作権 営業秘密 当事者的知財 契約 人事的知財 MVV 広報的知財 メディア掲載 ブランド イメージ 社会的知財 this is startup. © Daisuke KIMOTO 10
背景 - 知財部が困ることあるある チ 知 知財部に相談なしにやっちゃうこと 知財部の困り事 新商品を展示会に出品しちゃう。 自社の特許が取りにくくなる。 新商品の名前を決めて発表しちゃう。 第三者の商標権に抵触する。 契約条件を相手方と握っちゃう。 契約書作成の段階でちゃぶ台が返る。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 11
チ 知 Q でも、本当に 駄目なことな の? this is startup. © Daisuke KIMOTO 12
背景 - 知財部が困ることあるある チ 知 知財部に相談なしにやっちゃうこと 事業部目線で言うと 新商品を展示会に出品しちゃう。 早期に新商品のプロモーションができた。 新商品の名前を決めて発表しちゃう。 早期に新商品のブランディングを始められた。 契約条件を相手方と握っちゃう。 契約交渉をスピードアップできた。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 13
チ 知 Q A でも、本当に 駄目なことな の? this is startup. スピードが上 がったことは 良いこと。 © Daisuke KIMOTO 14
チ 知 Q では、知財 部の困り事 は放置して 良いのか? this is startup. © Daisuke KIMOTO 15
背景 - 知財部が困ることあるある チ 知 知財部の困り事 知財部の困り事は事業部に返ってくる 自社の特許が取りにくくなる。 事業が継続しない(競合が現れる)。 第三者の商標権に抵触する。 商品名を変更する(ブランディングが水の泡)。 契約書作成の段階でちゃぶ台が返る。 契約交渉に難航する。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 16
チ 知 Q A では、知財 部の困り事 は放置して 良いのか? this is startup. 良いわけない (将来、事業部 に返ってくる)。 © Daisuke KIMOTO 17
チ 知 Q スピードアップと知財 部の困り事の解消を 両立させるにはどう すれば良いのか? this is startup. © Daisuke KIMOTO 18
背景 - スピードアップと知財課題の解消の両立 知財部に相談なしにやっちゃうこと こうすればよかった 新商品を展示会に出品しちゃう。 出品前に知財部に共有する。 新商品の名前を決めて発表しちゃう。 名前を決める前に知財部に共有する。 契約条件を相手方と握っちゃう。 契約条件を握る前に知財部に共有する。 this is startup. © Daisuke KIMOTO チ 知 19
チ 知 Q A スピードアップと知財 部の困り事の解消を 両立させるにはどう すれば良いのか? this is startup. 早めの情報 共有 © Daisuke KIMOTO 20
背景 - スピードアップと知財部の困り事の解消の両立方法 チ 知 つまり、知財部への情報共 有のハードル(工数面&精 神面)を下げることが重要! this is startup. © Daisuke KIMOTO 21
チ 知 Q なぜ、共有 のハードル があるの か? this is startup. © Daisuke KIMOTO 22
背景 - なぜ、共有のハードルがあるのか? チ 知 【特許庁の定義】 知的財産の特徴の一つとして、「もの」とは異なり 「財産的価値を有する情報」であることが挙げられ ます。情報は、容易に模倣されるという特質をもっ ており、しかも利用されることにより消費されるとい うことがないため、多くの者が同時に利用すること ができます。こうしたことから知的財産権制度は、 創作者の権利を保護するため、元来自由利用でき る情報を、社会が必要とする限度で自由を制限す る制度ということができます。 ??? (出典)「知的財産権について」(特許庁) this is startup. © Daisuke KIMOTO 23
背景 - なぜ、共有のハードルがあるのか? チ 知 事業部も忙しい。理解の難易度 が上がるだけで判断が遅れる。 忙しければ、遅れたものは取り残 される確率が上がる。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 24
背景 - なぜ、共有のハードルがあるのか? チ 知 つまり、知財は分かりにくい から、取り残されやすい。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 25
チ 知 Q A なぜ、共有 のハードル があるの か? this is startup. 知財はわか りにくい。 © Daisuke KIMOTO 26
背景 - なぜ、共有のハードルがあるのか? チ 知 知財をわかりやすくすれば、 共有のハードルは下がるは ず! this is startup. © Daisuke KIMOTO 27
チ 知 知財を大衆化する this is startup. © Daisuke KIMOTO 28
知財を大衆化する - 大衆化とは チ 知 ● みんなが知っている(まるで文字のように)。 ● みんなが同じものを想像する(まるで米のように)。 ● みんなが無意識に接している(まるで空気のように)。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 29
知財を大衆化する - よく聞かれる質問 チ 知 これって知財になりますか? this is startup. © Daisuke KIMOTO 30
知財を大衆化する チ 知 質問です。 どちらが知的財産でしょうか? A お気に入りのラーメン屋リスト B お掃除ロボットの設計図 this is startup. © Daisuke KIMOTO 31
知財を大衆化する - 価値を決める変数は何か? チ 知 質問です。 どちらが知的財産でしょうか? A お気に入りのラーメン屋リスト B お掃除ロボットの設計図 this is startup. © Daisuke KIMOTO 32
知財を大衆化する - よくわる知財の例示 チ 知 お掃除ロボットには、知的財産が詰まっている。 自動運転制御の発明 (特許権) ユニークなデザイン (意匠権) 自動運転プログラム (著作権) 記憶に残るロゴ (商標権) 【出典】アイロボット社の公式サイト this is startup. © Daisuke KIMOTO 33
チ 知 Q 知財とは何 か? this is startup. © Daisuke KIMOTO 34
知財を大衆化する - 知財とは何か? チ 知 知的 財産 Intellectual ↓ 知識・知性の豊かなさま ↓ 人間が考えたもの this is startup. © Daisuke KIMOTO 35
知財を大衆化する - 知財とは何か? チ 知 知的 非知的 子供が描いた下手な絵 オランウータンが描いた上手な絵 this is startup. © Daisuke KIMOTO 36
知財を大衆化する - 知財とは何か? チ 知 知的 財産 Property ↓ あるものにとって、 価値あるもの ↓ 他人が価値を感じるもの this is startup. © Daisuke KIMOTO 37
知財を大衆化する - 知財とは何か? this is startup. チ 知 知的 財産 人間が考えたもの 他人が価値を感じるもの © Daisuke KIMOTO 38
チ 知 Q A 知財とは何 か? this is startup. 人間が考え、 他人が価値を 感じるもの © Daisuke KIMOTO 39
知財を大衆化する チ 知 質問です。 どちらが非知的(人間が考えたものではない)でしょうか? A お気に入りのラーメン屋リスト B お掃除ロボットの設計図 this is startup. © Daisuke KIMOTO 40
知財を大衆化する チ 知 お気に入りのラーメン屋リス トもお掃除ロボットの設計図 も知的(人間が考えたもの) である。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 41
チ 知 Q 財産の大き さは何で決 まるのか? this is startup. © Daisuke KIMOTO 42
知財を大衆化する - 価値を決める変数は何か? チ 知 質問です。 あなたは食べログの社員です。どちらが知的財産でしょうか? A お気に入りのラーメン屋リスト B お掃除ロボットの設計図 this is startup. © Daisuke KIMOTO 43
知財を大衆化する - 価値を決める変数は何か? チ 知 質問です。 あなたは食べログの社員です。どちらの価値が高いでしょうか? A お気に入りのラーメン屋リスト B お掃除ロボット this is startup. © Daisuke KIMOTO 44
チ 知 Q A 財産の大き さは何で決 まるのか? this is startup. それぞれの 立場 © Daisuke KIMOTO 45
知財を大衆化する - 財産の大きさを決めるのは チ 知 財産の大きさを決めるのは それぞれの立場。 つまり、自分自身。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 46
知財を大衆化する - 知財か否かを決めるのは チ 知 このアイデアを知財にする かどうかを決めるのは 自分自身 this is startup. © Daisuke KIMOTO 47
チ 知 Q これって知 財になります か? this is startup. © Daisuke KIMOTO 48
知財を大衆化する - 知財か否かを決めるのは チ 知 「知財になるか?」 ではなく、 「知財にしたいか?」 this is startup. © Daisuke KIMOTO 49
チ 知 Q A これって知 財になります か? this is startup. それって知 財にしたいで すか? © Daisuke KIMOTO 50
チ 知 知財部へ知財を流入させる this is startup. © Daisuke KIMOTO 51
チ 知 Q どんなときに 知財部を巻 き込めばい いのか? this is startup. © Daisuke KIMOTO 52
知財部へ知財を流入させる - すべての仕事に知財部巻き込む ● チ 知 特許・商標 だけではなく、例えば、 ● ● ● ● ● 契約 人事(社内への情報発信) 広報(社外への情報発信) 事業計画の相談(事業課題の発掘) ブランディングの相談(ネーミングだけではなく、提供価値の言語化から) etc. this is startup. © Daisuke KIMOTO 53
チ 知 Q A どんなときに 知財部を巻 き込めばい いのか? this is startup. すべての仕 事に知財部 を巻き込む © Daisuke KIMOTO 54
知財部へ知財を流入させる 知財部に知財が流入しない場合 知財部に知財が流入する場合 事業部 事業部 事業部 IP 知財部 公知 チ 知 情 報 社外 this is startup. 低鮮度 高鮮度 知財部 情 報 事業部 IP 知財部 知財部IP 情報が知財になる ↓ 鮮度(価値)が上がる 情報が公知になる ↓ 鮮度(価値)が下がる 社外 社外 © Daisuke KIMOTO 製 品 社外 55
知財部へ知財を流入させる チ 知 知財部に知財が流入しない場合 知財部に知財が流入する場合 事業部 事業部 事業部 このアイデアは知財に なるのかな? 相談が遅れる 相談が漏れる 知財部 this is startup. 事業部 このアイデアを知財に したいから、あとはよろ しく! 共有が早い 共有が漏れない 知財部 © Daisuke KIMOTO 56
知財部へ知財を流入させる チ 知 早くて漏れないから、結果的 に知財部も楽になる。 this is startup. © Daisuke KIMOTO 57
チ 知 まとめ this is startup. © Daisuke KIMOTO 58
チ 知 Q A このアイデア は知財にな るのかな? this is startup. そんなこと考え ずにアイデアを 共有した方が早 いじゃん。 © Daisuke KIMOTO 59
知財を大衆化する - 価値を決める変数は何か? チ 知 質問です。 あなたは食べログの社員です。どちらが知的財産でしょうか? A お気に入りのラーメン屋リスト B お掃除ロボット this is startup. © Daisuke KIMOTO 60
チ 知 Q A これって知 財になります か? this is startup. それって知 財にしたいで すか? © Daisuke KIMOTO 61
チ 知 to be continued 残論点 this is startup. © Daisuke KIMOTO 62
チ 知 to be continued - 残論点 ● 知財の種類毎の知財部の関わり方 ○ ● 知財活動による事業価値への貢献の示し方 ○ ○ ● 従来とは異なる知財(拡張知財)を共有したときには、一般的な知財部(例:特許庁への出願手続) とは異なる関わり方が求められる。 知財活動の出費を経費としてみなすと、知財活動はコストを生み出すものになる。 知財活動の出費を投資としてみなすと、どうなるか? 知財風土が定着した組織における知財部の位置付け ○ this is startup. コーポレート側にいるべきか?それとも事業部にいるべきか? © Daisuke KIMOTO 63
チ 知 参考資料 this is startup. © Daisuke KIMOTO 64
チ 知 Reference(My Blog) ● ● ● 『This is startup - 契約も知財だ!』, 2023/11/26 『This is startup - 広報も知財だ!(後記「企業内弁理士が知財と広報を「兼務」し て見えた一致点&相違点~知財はマラソン、広報は100m走!」(Toreru Media))』, 2023/12/02 『This is startup - 人事も知財だ!(創業者の魂は究極の知財)』, 2023/12/09 this is startup. © Daisuke KIMOTO 65
チ 知 Thank you! https://www.facebook.com/kakisukeko16 https://twitter.com/kakisukeko16 https://note.com/daisuke16 [email protected] 弁理士 木本大介(弁理士登録番号14612) this is startup. © Daisuke KIMOTO 66