(研修会スライド)「即時オープンアクセスについて 続編」

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August 01, 25

スライド概要

2025年7月31日(木)白百合女子大学全学FD・SD研修会(オンデマンド)「2025年度即時オープンアクセスの義務化に向けて(続編)」で使用した講演スライドです。

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白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター教員。司書・司書教諭課程担当。舞台大好き(小劇場)。

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各ページのテキスト
1.

前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 即時オープンアクセスについて 続編 今井福司 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 2025 年 7 月 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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1 前回の講義への補足 2 前回取り上げられなかったトピック ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 1 前回の講義への補足 2 前回取り上げられなかったトピック ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック オープンアクセスの対象 公表時点から電子ジャーナル(もしくは印刷体が発行され る際に同時に電子ジャーナルとしても公開される)ものが 対象。 印刷体でしか発行されないものは今回の即時オープンアク セスでは対象外。 印刷体の発行後、一定期間をおいて初めて電子ジャーナル が公開される場合も対象外。 まとめると、最初の公表段階で電子ジャーナルになってい ないものは対象外となる。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック オープンとクローズの区別 これまで公開していなかったものを、全てオープンにしな ければならないわけではない。 著作権やプライバシーの関係で公開できないものについて は「クローズ」でよい。 学術誌の掲載時にオープンにすることを求められているも の以外は「クローズ」でよい。 出版社や学会との契約でオープンにすることができないと いう理由があれば「クローズ」でよい。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 即時オープンアクセスの対象 以下の条件を全て備えたものが「即時オープンアクセス」と なる。 1. 科研費などの公的研究費をもらって行っている研究がある。 2. 公的研究費の研究成果の中として、研究論文を書く可能性 がある。 3. 研究論文の投稿先が「査読あり」である。 4. 投稿先では、最初から電子ジャーナルとして公刊される。 5. なお、即時とはおよそ公表後 3ヶ月が目安である。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 即時オープンアクセスにならないものは何か 科研費などの公的研究費をもらっていない場合は対象外と なる。 研究成果が書籍として出版される場合は「研究論文」では ないので対象外となる。 学内の研究紀要で査読なしの場合は対象外となる。 査読ありの研究論文だが、印刷体でしか発行されない、も しくは電子ジャーナルが印刷体の発行と同時には公刊され ない場合も対象外。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック グリーン OA・ゴールド OA について グリーン OA: 研究者自身が文献を電子アーカイブで公開する。 例えば、エンバーゴ終了後に機関リポジトリで公開する など。 本学の機関リポジトリで公開すればグリーン OA となる。 参考:新潟大学オープンアクセス支援サイト ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック グリーン OA・ゴールド OA について ゴールド OA: 購読料以外のコスト負担により運営される OA。 例えば、著者がオプション料金(APC)を支払って出版社 がオープンアクセスとする(ハイブリッド OA)、投稿料だ けでオープンアクセスとなる(フル OA)パターンがある。 なお、和文誌では学会などが費用を負担することで、オプ ション料金を著者が支払わずに OA となるものも少なくない と思われる(ダイヤモンド OA と呼ばれる)。 参考:新潟大学オープンアクセス支援サイト ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック J-STAGE での公開について J-STAGE とは学術誌の大半が電子ジャーナル公開に用いる サービス。 例えば日本図書館情報学会は、以下の 2 点からオープンア クセスかつ即時オープンアクセスの条件を満たしている。 1. 公開時にエンバーゴの設定がなく、無料で閲覧できる。 2. 投稿規程にクリエイティブ・コモンズ ライセンス(CC ライセン ス)付与により二次利用の範囲・条件が明示されている ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 1 前回の講義への補足 2 前回取り上げられなかったトピック ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック ブダペスト宣言とアメリカの取り組み 海外では、限られた範囲でのみ学術情報の流通が行われるこ とに危惧を抱いた研究者などから、様々な動きが出ている。 2002 年にオープンアクセス(OA)関係者によって始まった OA に関する宣言ならびに運動である(Budapest Open Access Initiative:BOAI)はその端緒である。 BOAI の宣言では、OA とは学術論文を、経済的・法的・技 術的な障壁なく、インターネットを介して誰もが自由に利 用できるとし、実現手段としてグリーン OA とゴールド OA の 2 つを提示している。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 拘束力のないオープンアクセスの限界 追加の手間や負担が生じやすいことから、興味関心がある 研究者だけに限られがちとなる。 研究者が限られた研究費から、出版社へ追加料金を支払う インセンティブが働きにくい。 研究成果を広く公開されることを好まない分野もある (特許 などの権利、イデオロギー、資料の提供者の希望など)。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック cOAlition S におけるプラン S の取り組み プラン S は欧州中心の研究助成機関のコンソーシアム cOAlition S が推進する計画である。 参加機関が助成した研究成果について、完全即時の OA を求 める。 購読料と論文掲載料(APC)の二重取りをするハイブリッ ド誌は、公共の理念に完全に反するとしている。 ただし、2021 年 9 月の発効後も米国が参加しないなど拡が りに欠けた。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック アメリカの即時 OA 政策 2022 年 8 月 25 日に突如、米・科学技術政策局(OSTP)が Plan S と同等の指針を発表した。 公的資金を得た研究成果について、論文出版と同時に、論 文及び根拠データがオープンアクセス(OA)となる。 米国の研究助成機関は、最大でも 360 日以内に、「即座 OA」 の実施計画を OSTP および、行政管理予算局(OMB)に提 出しなければならない。各研究助成機関の「即座 OA 方針」 は、2024 年末までに確定・公開され、遅くとも 2025 年末 までに施行される。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌

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前回の講義への補足 前回取り上げられなかったトピック 本スライドのライセンスについて このスライドは CC BY 4.0 でライセンスします。条件を 守っていただく範囲では、ご自由にお使いください。詳細 は https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ をご覧下 さい。 ‌ 今井福司 即時オープンアクセスについて ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 続編 ‌